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2015年3月 1日 (日)

室蘭艦砲射撃についての考察

戦艦は、もともと戦艦と大砲で撃ち合って戦うために作られています。相手より遠くから、相手より大きな砲弾を、相手より正確に、相手より数多く当てるために進化してきました。沖合25~30kmからの陸上目標の砲撃とは、例えるなら横浜駅から東京駅の赤煉瓦駅舎を狙うようなもので、実際にそれが可能となるような域に達していました。さらに、艦対艦なら相手も動きますが艦対地攻撃では動きませんので、命中度はやや高くなるはずです。それでも、約15秒かけて東海道線上を飛んでくる砲弾を考えてみれば、それが例えば丸の内側でなく八重洲側に落ちるくらいのことはありうるものと思われます。

しかしながら、反撃も受けていないのに何故これほどまでに工場の外に多くはずれてしまったのか。日鋼の東側にあたる御崎・御前水、輪西製鉄所の南の輪西、北東の中島への砲撃について、狙いが外れたのか、分からずに狙ってしまったのか、知っていて狙ったのか、という疑問が残ります。

Muroran

以下、多岐にわたる関連報告書等の内容を順に押えてから、考えてみたいと思います。

1 艦砲射撃の映像
TU34.8.2 第四任務部隊・第八戦隊・第二分隊の室蘭砲撃

2 戦艦部隊の報告書
ComBatDiv7 第七戦艦戦隊
  BB-61 戦艦アイオワ
ComBatDiv9 第九戦艦戦隊
  BB-63 戦艦ミズーリ
  BB-64 戦艦ウィスコンシン

3 巡洋艦・駆逐艦の報告書
CL-104 軽巡洋艦アトランタ
CL-105 軽巡洋艦デイトン
第五四駆逐隊の駆逐艦 計九隻(一部のみ)

4 弾着観測機の報告書
VB-1#67 ベニントン爆撃機隊

5 戦略爆撃調査団報告書
記録写真集-室蘭
別冊E 室蘭地区
別冊J 砲撃の正確性 第四部 室蘭
10/7 調査団一行の室蘭上陸

6 考察
関接射撃のための準備不足
困難だった弾着観測
「うまそうな獲物」への誘導
艦位測定の難しさ

長年、艦対艦の大決戦に備えてきた戦艦部隊にとっては、多数の一般市民殺傷の汚名を着せられるのは耐えられなかったはず。観測機との通信記録まで使って、多少言い訳がましい報告になっているのも頷ける気がします。その一方で、砲撃を受ける側が自分を守るための対空砲火と煙幕が、工場の外に被害が広がる要因の一つとなってしまっていたとすれば、これも実にやるせないことだと思います。

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(last updated on 05/22/19)

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